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Posted by ふたぎ おっと on  | 

ソナタ形式で小説の構成を考えてみる~幻想序曲「ロメオとジュリエット」を例にして~

こんばんは、ふたぎです。

突然ですが、みなさん作業するときに音楽聴きますか?
私は大抵ミュージカルサントラを聴いたり、あとは乙女ゲームのドラマCDとかを聴いたりしているのですが、ここ最近はクラシックを聴くことも増えてきました。

で、クラシック音楽を聴きながらふと思ったのです。


多くの曲で取り入れられているソナタ形式、
あれって小説にもあてはまるのかしら?



ここでソナタ形式について少し整理。
楽典が実家にあるので、ウィキペディアを参照(かっこつかないのがあれですが泣)

序奏
 これは言わば、プロローグ的な部分

提示部

 曲にもよるけれど、クラシックの曲というと大抵大きなテーマが二つあったりする。
 でも一つしかない場合も大いにしてある。
 第一主題 要するに第一テーマ
 第二主題 第一主題と対比しているような曲調やテンポだったりするのが多い。

展開部

 ここでは提示部で出て来た主題を変形させる。
 全曲中の中で極めて緊張感が高まる部分らしい。

再現部

 主題を再現させることで、展開部で高まった緊張感を和らげる、らしい。
 それから、提示部で対比していた第一、第二主題の対比関係が解消されるらしい。
 第一主題の再現
 第二主題の再現
 提示部では大抵転調が起きるのですが、ここでは転調せず主調のまま。

結尾部

 要するに終わりに向かっていく感じ。


なんてあれこれ小難しく書いてますけど、「のだめカンタービレ」でも有名になったベートーヴェンの交響曲第7番の第一楽章を聴きながらこれを意識してみると、多分分かりやすいと思います。


で、これが「小説にもあてはまるのか」という話であります。


というかむしろ、既にあるんでしょうけれど、そういう目線で小説を読んだことがないからいまいちピンと来ない。
なので、物語にソナタ形式を当てはめた曲を例に考えてみようかなと思います。


ここで例に挙げるのは、チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」


これ、かつてはチェロトップで演奏したことがあり、その時の演奏会のプログラムに「ロメオとジュリエット」解説をがっつり書いたのですが、その時のファイルもどこかへ消えてしまっているという悲しき事態。
スコアでも手元にあればまだ良かったんですがね(白目)。
とりあえず、何分何秒で表すことにしましょう。

あ、ここではバーンスタイン指揮フィラデルフィア交響楽団のチャイコフスキー交響曲第5番(1989)のCDに一緒に入っている「ロメオとジュリエット」で表しています。


その前に、シェイクスピアの「ロメオとジュリエット」について整理。
ざっくり展開の番号付けもしておきます。

①舞台は14世紀のイタリアの都市ヴェローナ。

②そこではモンタギュー家とキュピレット家が血で血を洗う抗争を繰り広げていた。

③ある日、モンタギュー家の一人息子ロメオは、友人と気晴らしに行ったキュピレット家の一人娘ジュリエットに出会い、二人はたちまち恋に落ちる。(ここで有名な「あぁロミオ、あなたはどうしてロミオなの」というバルコニーの名シーン)
二人は修道僧ロレンスの元で、密かに結婚する。

④しかし、ロミオは友人と共に街頭での争いに巻き込まれ、親友マキューシオを失う。
これに逆上したロミオは、キュピレット夫人の甥を殺してしまい、ヴェローナの大公に追放の罪に処される。
一方キュピレット家では、ジュリエットと大公の親戚との結婚が進められる。

⑤ジュリエットは修道僧ロレンスに助けを求め、ロミオと添い遂げるために、仮死の毒を用いた計略を提案される。
これを手紙でロミオに伝えたのだが、その手紙が行き違ってしまう。
ジュリエットが本当に死んでしまったと思ったロミオは、ジュリエットの側で毒を飲んで死に、後から目覚めたジュリエットもロミオの後を追って短剣で胸を突き刺す。

⑥事の真相を知った両家は、二人の死を嘆き、そして和解する。



で、これがチャイコフスキーの曲の中で、どのようにしてソナタ形式で表されているかを、個人的に解釈します。


*******************************************************************
①舞台は14世紀ヴェローナ
序奏(最初~4:55)
 Andante non tanto quasi Moderato
 物語のプロローグ的なところ。
 ロミオとジュリエットの行く末を見守る修道僧ロレンスを表しているので、かなり宗教的で荘厳な曲調になっている。

序奏~提示部への移行(4:55~6:29)
 poco a poco string accel.~Allegro~Molt meno mosso
 少し曲調が速くなり、何か不穏な気配。
 個人的な解釈で行くと、多分ここはヴェローナで政変が起きて、今にもモンタギュー家とキュピレット家がぶつかるのではと言う、戦争前夜を表していると思う。


②モンタギュー家とキュピレット家が血で血を洗う抗争を繰り広げていた。
③ロミオとジュリエットの恋の始まり。

提示部
 第一主題 Allegro guist(6:29~8:30)
  ここで序奏から一転、かなり激しい曲調になる。
  これはモンタギュー家とキュピレット家との激しい争いを表している。

 第二主題 dolce(8:30~12:41)
  激しい第一主題と一転して、とても穏やかなテンポと曲調。
  dolceとあるように、とても甘やかな曲調なのですが、ここはロミオとジュリエットの出会い、恋を表しています。
  いわゆる「あぁロミオ~」の名シーンはここ。
  そしてここで、二人の恋が盛り上がるのです。
  最後の方で出てくるハープは、ロレンスが二人の婚姻を祝しているのを表している。


④ロミオの友人のマキューシオが死ぬ。ロミオ追放令。
  ジュリエットと大公の親戚との婚約。

展開部(12:41~14:53)
  甘やかな曲調から一転、かなり不穏な雰囲気は少しずつ緊張感を高め、やがて第一主題の再現へと向かいます。
  これは物語で言うところの、マキューシオが死ぬところだと思います。
  街頭で争いに巻き込まれたロミオが、マキューシオの仇取りのためキュピレット家の人を殺害。

再現部
 第一主題の再現(14:53~15:16)
  モンタギュー家とキュピレット家の争いのテーマが再び登場。
  物語的には、キュピレット家を殺害したことでヴェローナの大公からロミオに追放処分が言い渡されるところだと思う。
  で、二家の争いがますます混迷化する、といったところなのではないかな。
  一方、ジュリエットは大公の親戚との結婚を言い渡される。


⑤仮死の毒の計略。情報行き違いの末の自殺。
 第二主題の再現(15:17~18:00)
  二人の愛のテーマが、とても不穏な雰囲気を孕みつつ再び登場。
  ヴェローナからの追放を言い渡されたロミオは、ジュリエットの部屋のベランダで別れを惜しむ。
  多分物語全体としてはそんなに大それた場面ではないと思うのだけれど、その後の運命が運命だからか、曲ではかなり盛り上がる場面。
  で、ロレンスがジュリエットに仮死の毒計画を教えるのもここで、これで晴れてロミオと結ばれる、そんなジュリエットの心情と、更に激しくなる二家の争いを対比して表現している。

 第一主題の再現その2(18:00~19:08)
  モンタギュー家とキュピレット家の争いは止まるところを知らない。
  と同時に、ここは情報が行き違って、教会(?)でロミオがジュリエットの遺体を見つける場面になると思います。
  この部分の最後はティンパニーで締めくくられるのですが、ここが二人の死の場面。


⑥両家の和睦 
結尾部(19:08~最後)
  Moderato assai
  二人の死を悲しむような曲調が流れます。
  それを知った両家は、嘆き、和解します。
  最後は二人の魂が天国で結ばれたかのような、とても綺麗なエンドに落ち着きます。

*******************************************************************


という、流れと思われます。
なんか、小説の在り方を考えるはずが、ただ曲を分解しただけのように思えるのですが、ここで本題!

単純にソナタ形式で考えると、私の中では再現部……再現部?となったわけです。
普通に物語を書くときに、再現部で何を再現するのだろうか、と思ったわけです。
そもそも、話を再現ってどゆことや、と。


そこで今回の、「ロメオとジュリエット」を例にして考えてみます。


ソナタ形式で言うところの提示部で、二つのテーマを出しています。
これは多分、話としては本筋なのだろうけど、起承転結の起承の部分。
「両家の対立」と「結ばれない二人の恋」という大きなテーマを背景に置くというところなのではないでしょうか。
確かに小説を書くとき、舞台背景やら話の設定やらをここらで提示していると思う。

そこで提示した二つのテーマというのが、展開部=物語のターニングポイントを経て、再現部で更に発展させられ、二つのテーマが絡み合っていく、といったところなのですかね?
単純に物語の構成だけを見ると、二つの主題が発展しているようには思いにくいのですが、そこで掘り下げられている内容にこそ、テーマが再現されているのかなと思います。


ある意味、よくある「束の間の幸せ」っていうのも、ここの再現部に当たるのかしら。


でも、よくよく考えてみれば、悲劇的な物語は、自然とソナタ形式のような構成になっている気がする。
というのは大抵の悲恋的な話は「ロメオとジュリエット」的な展開になるからかしら……。
少なくともだいぶ前にお話しした2000年前半ドラマには当てはまっていると思う。

<2000年前半ドラマ>
出会う

恋愛、もしくはなかなか叶わない片思い

三角関係、家の問題あれこれトラブル発生
予期せぬ別離

彼女の居場所を突き止め、必死で会いに行く

彼女は死んでいた
(第三者)「治らない病気だったの」

これでいうと、出会う前に、三角関係の誰かしらがほのめかされているんだと思う。
もしくは家族のなんたらとかかな?
で、彼女の居場所を突き止めて会いに行く、という部分に「束の間の幸せ」的な再現がされているのかなと。


逆に喜劇的な物語はどうかしら?
と思うと、最初に提示したテーマが、後になってドタバタ混迷化して、最後は綺麗にまとまる、という感じかしら。
これも考えれば、思いつくのが色々と出てくる気がする。
前回話した90年代ドラマもこれに当てはまるんじゃないか?

<90年代ドラマ>
出会う

「あんたなんか嫌いよっふんっ」
「女はもっと可愛くしろよ~」的なケンカするほどなんとやら展開

別の人物介入、三角関係・格の違いあれこれトラブル

何だかんだでお互いの気持ちが寄り添い合う。
(付き合う付き合わないは別にして)

別の人物に引き離される。
「私はあなたの前から去るわ」的な別れ
(ちょうどいいタイミングで出張やら異動やら。)

旅立つその日に「おい待てよ」的に引き止め、まわれまーわれメリーゴーランド


あ、なんか色々と整理出来てきたかも。
要するにソナタ形式でいうところの「再現部」っていうのは、文字通り捉えようとすると分からなくなるのだけれど、恋愛小説に置き換えれば、メインの二人が一番に寄り添い合うところいうか、いい雰囲気になっているところが当たるのではないだろうか?

それでいうと、私の作品も自然とそういう形式になっているような気もする。


……なんて、一人で話を繰り広げて一人で納得しているのですが、読んでいる人には何が何やら状態ですよね笑
とりあえず、これから小説を読むとき・書くとき、少しこれを意識してみようかなと思った次第であります。


あ、ちなみにチャイコフスキーの「ロメオとジュリエット」は是非是非お聞き下さい。
The 情熱な曲ですので。

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Category : 創作談議
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